【新垣結衣③】ガッキーのブレイクを支えた3作品
ガッキーのブレイクを支えた3作品
第2弾ではガッキーのヒット作『逃げるは恥だが役に立つ』『リーガルハイ』『コードブルー』『恋空』『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』の5作品を振り返りました。
そしてガッキーがブレイクするのに特に重要だったのは、初期のヒット作である、『コードブルー』『恋空』『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』ではないかと考察しました。
第3弾ではこの3作品で、ガッキーがどのようにトップ女優への階段を駆け上がったのかを、時系列順に深く堀り下げていきます。
目次
知名度の芽が出た『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』
ガッキーはなぜ、『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』で知名度が広まったのでしょうか。
そしてブレイクポイントはこの作品以降だと推測されるのはなぜなのでしょうか。
初のヒロイン枠としての出演ドラマで高視聴率
ドラマ『ギャルサー』や『ドラゴン桜』ではヒロイン枠として出演できなかったガッキー。
念願かなって『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』でその枠を勝ち取ることができました。
ヒロインということはもちろん、出演時間が長くなります。
また『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』の視聴率は、最高で23.2%を記録し、その数字は2006年のドラマ視聴率第3位にランクインしています。
人気の高いドラマだったため、ガッキーの認知度は飛躍的に上がりました。
ただ知名度が爆発したとまでは言えない
しかしヒロイン枠として一つのドラマに出たからと言って、「ブレイクした」と断言することはできません。
たとえ『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』と同枠でドラマに出ても、ガッキーほどブレイクしない女優さんはたくさんいます。
例えばドラマ『ヤマトナデシコ七変化』でヒロイン枠として出演の大政絢、ドラマ『モンテクリスト伯ー華麗なる復讐ー」や『刑事ゆがみ』に出演した山本美月は、ガッキーほどの人気があるというのは難しいでしょう。
このようにヒロインとしてドラマに出ても、知名度が爆発するとは限らないのです。
ちなみにガッキーもこの時点では、知名度が急上昇したとは言えません。
2006年にオリコンが実施した好きな女優ランキングで、ガッキーはまだ10位以内に入れていないのです。
ちなみに同世代の女優、長澤まさみや綾瀬はるか、沢尻エリカはすでにTOP10入りしています。
これらの理由から『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』は知名度を広めるきっかけにはなったが、爆発とまではいかなかったと言えます。
ターニングポイントの『恋空』
『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』で以降蓄えた人気を爆発させたのは『恋空』であり、ガッキーの大きなターニングポイントだと考えられます。
ではこの作品がターニングポイントだと言える理由は何なのでしょうか?
2006年の恋愛映画(邦画)No.1
『恋空』は原作・書籍共に大ヒットの恋愛ストーリーです。
実写映画化には、全国の女子小中高生が注目したでしょう。
それに加えケータイ小説という目新しさから、女子中高生以外の人々も興味本位で映画館へ足を運んだ可能性もあります。
その結果が恋愛映画No.1(06年)、観客動員数約314万人、興行収入39億円という数字を叩き出しました。
この頃のガッキーの実績は、映画主演1本、ドラマ主演は0本です。
恋空旋風のおかげでガッキーは映画主演2作目という実績ながらも、その年のブレイク女優となれたのです。
女子の人気を得ることに成功した
『恋空』の宣伝として、当時テレビ出演がぐっと増えたガッキー。
可愛らしいルックスは、男性のハートを掴みました。
そして人気が出ても鼻にかけることのない、自然体な様子は女性人気も勝ち取りました。
若いうちに女性からの支持を得たことは、今後の女優人生にとてもプラスに働きました。
最近の女優さんでも、いまいち女子人気が出ない方がいますよね。
一度「性格が悪い」「あざとい」といったレッテルを張られると、なかなか覆すことができません。
演じる役に支障が出てきてしまう場合もあります。(後に詳しく言及します)
同性からの支持が得られれば、怖いものはもうありません。
女子人気を獲得するきっかけとなった『恋空』はガッキーにとって大きな分岐点と言えるのではないでしょうか。
人気を不動のものにした『コードブルー』
『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』『恋空』と、2作続けてヒット作に出演したガッキー。
先ほど触れたように『恋空』で人気が爆発しました。
しかしその上で『コードブルー』に出たからこそ、その人気が一過性のものでなく安定したと考えられます。
なぜなら、『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』と『恋空』に出ただけであれば、今でもよくいるモデル上がりの可愛い女優にとどまってしまう可能性もあるからです。
10年以上愛される長寿ドラマ
第1期が2008年、2年後に2期、9年後に3期、10年後に映画化されるというように10年以上愛されたドラマとなりました。
ここまで長期にわたって愛されるのはとても珍しいです。
『コードブルー』と同じ歴史をたどったドラマを探してみました。
例えば『ドクターX~外科医・大門未知子~』を皆さん知っているでしょうか?
「私、失敗しないので」というセリフで有名な、米倉涼子さん主演のドラマです。
こちらのドラマは2018年今現在の時点で5期まで放送されています。毎回視聴率も良くテレビ朝日の誇る人気ドラマです。
しかし『コードブルー』と違うところは2012年~2017年という短いスパンで放送されてるところ。
『コードブルー』は3期+映画化はもちろんすごいのですが、それ以上に2期からしばらく経った3期、そして映画も愛されていることが、この作品の際立ってすごいところなのです。
医療ドラマに限らずどんなドラマであっても、メインキャストを10年間変えずに作ることができたドラマはまずありません。
ガッキーにとっても、他のメインキャスト4人にとってもこの作品は代表作となったのです。
『コードブルー』のヒット理由
ガッキーもそして他の4人のメインキャストにとっても、重要な作品となった『コードブルー』。
しかしこの作品について調べていると、ヒットするのが確実だろうと思えるような要因があったのです!
ここからはガッキーのブレイクとは少し逸れますが、後に関わってくるので『コードブルー』がすごいドラマになったわけを解説していきます。
<ヒットの理由1:売れっ子脚本家>
第2弾の記事で少しだけ触れましたが、脚本家の林宏司さんは、『救命病棟24時』(01年)、『医龍』(06・07年)、BOSS (09・11年)を担当した腕のある脚本家です。
医療ドラマに限らず、刑事ものや裁判ものも手掛けました。
どんな分野でもヒットを生み出せる腕のある脚本家が担当していたのです。
<ヒットの理由2:スーパーアイドル山下智久>
亀梨和也と結成した修二と彰(05年)から始まり、『ドラゴン桜』『野ブタ。をプロデュース』(05年)、『クロサギ』(06年)、『プロポーズ大作戦』(07年)をヒットさせた山Pは無双状態でした。
そんな山P初の医療ドラマ。
彼目当てにこのドラマを見ようと思った女子も多いはず。
絶頂期の彼がいればヒット間違いなしのドラマでしょう。
良い脚本に大人気の山下智久。ヒットしたのも腑に落ちます。
しかしなぜヒット確実のドラマに、ガッキーが準主演枠で出ることができたのでしょうか?
ここからは私が集めた情報をもとに、「どうしてガッキーがキャスティングされたのか」を考察していきます。
<キャスティングの理由1:同じペアを何度も起用してはいけない>
まずキャスティングのルールとして、同じペアを何度も起用してはいけないというものがあります。
そうすると、『野ブタ。をプロデュース』『クロサギ』でヒロイン枠だった堀北真希、『ドラゴン桜』『プロポーズ大作戦』でヒロイン枠の長澤まさみは削られます。
実は何度も共演すると、役者同志が恋愛に発展してしまうため避けるようにするという裏事情もあります。
<キャステングの理由2:ジャニーズと共演できる女優の条件>
天下のジャニーズ事務所は、共演する女優も慎重に選びます。
ジャニーズと共演可能な女優の条件
1、男性人気はもちろん女性人気もあること
2、スキャンダルがないこと
の2つです。
ちなみに先程書いた、女性受けが悪いと演じる役に支障が出るとは、ジャニーズタレントと共演する枠に出演できなくなるということです。
ここで一つ強調しておきたいのは、ジャニーズと共演するには女性人気があることが条件なのです。
これはガッキーの直近のヒット作である、『恋空』と大きく関わっています。
ガッキーは『恋空』で若い女性の支持を集めました。
『コードブルー』の放送は、『恋空』が公開されてから一年も経っていません。ガッキーの恋空旋風の威力はまだ残っていました。
と考えると、ガッキーが起用されたのも納得できませんか?
女子の支持が高いガッキーは、ジャニーズタレントの共演女優としてピッタリだったのです。
ガッキーは過去に一度『ドラゴン桜』で山Pと共演のみで、スキャンダルもありません。
知名度が上がり週な女優かつ、ジャニーズタレントと共演できる女優の条件に当てはまっているガッキーは、『コードブルー』のキャスティング会議で名前が出たのは自然でしょう。
『恋空』で若い女性のファンを増やし、無敵になった
ガッキーのターニングポイントとなった作品の中でも特に、『恋空』と『コードブルー』に焦点を当ててみました。
『恋空』で若い女性のファンを増やしたことで、次の作品にも繋がり、知名度も安定しました。
【新垣結衣④】では、ガッキーにとって『恋空』はどういう作品であったのかを、解説していきます。